>> ENGLISH
© Mori Nana
© Mori Nana
順次4箇所にて、菊地良太の企画する展覧会『尊景』が開催されます。菊地自身を含む4名のアーティストがそれぞれ「尊景」というテーマの元、環境の内と外の関連性に着目し、そこに敬意を払うそれぞれの作風を最大限に活かしながら、「個展」の枠組みの境界線を押し広げる展覧会の開催となります。
2016年4月27日(水)〜6月04日(土) KANA KAWANISHI GALLERY
2016年5月06日(金)〜5月28日(土) コートヤード HIROO ガロウ
2016年5月14日(土)〜5月25日(水) CC4441 THE GALLERY
2016年5月19日(木)〜5月31日(火) BLOCK HOUSE B1 GALLERY
日 時: 5月06日(金)18:30-19:45 ※18:00開場/入場無料/ご予約不要
会 場: コートヤード HIROO ガロウ
登壇者: 菊地良太、川崎昌平(司会進行)、松井克文、森山泰地
ゲスト: 日比野克彦(アーティスト、東京藝術大学先端藝術表現科教授、東京藝術大学美術学部長、岐阜県美術館館長)
トークイベント『尊景』
会期1:菊地良太『尊景』
■会 期
2016年4月27日(水)~ 6月04日(土)
※下記日程は都合により短縮営業となりますのでご了承下さい
5月12日(木)12:00-17:00
5月13日(金)12:00-17:00
5月14日(土)18:00-20:30
■会 場
KANA KAWANISHI GALLERY
東京都港区南麻布3-9-11 googlemap
2013 | archival pigment print | ©Ryota Kikuchi, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY
2013 | archival pigment print | ©Ryota Kikuchi, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY
stealth | 2013 | archival pigment print | ©Ryota Kikuchi, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY
尊景について考えてみたんだ
なんだ、字、まちがってんじゃないの?
いやいや、これでいい
でっかい岩山があったら登るよね
でも、自分の背丈ぐらいの岩だったら?
抱きつく?かな
腰ぐらいの高さの岩だったら?
腰掛ける
手のひらくらいの岩だったら?
ハナクソくらいの岩だったら?
そりゃ、もはや砂利でしょ
さっき踏んづけた砂利がまだソールにはさまってるよ
いや、登ってるんだよ!
菊地良太(きくち・りょうた)は1981年生まれ、千葉県在住。東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒業、東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。
フリークライマーとしての独特の視点を美術表現へと変換させ、都市や風景に内在する様々な領域や境界線等を可視化させる作品を発表しています。本展では総合キュレーションとして4名の作家に声を掛けながら、自身の個展会場では、新作の写真作品とインスタレーションとの組み合わせにより、日常の其処此処に潜む認識の妙をユーモラスに顕現化させる展示を行ないます。
会期2:川崎昌平個展『尊景—文間への憧憬』
2016 © Shohei Kawasaki
2016 © Shohei Kawasaki
Untitled | 2016 © Shohei Kawasaki
書くことはたやすい。思考を連ね、言葉を探し、選び、手を動かせば、文はすぐにできる。しかし、どれほど文字を紙に叩きつけたところで、書かれた文と文の狭間にできる空白、すなわち「文間」は、私にとっては大変な難敵で、容易には書けない。
私たちは日常的に文間を読んでいる。ページの余白や行間、フキダシの外、キャッチコピーの前後など、さまざまな文間に意識を漂わせ、必ず何かを感じている。文脈という言葉があるが、それも文間を経由して生まれた思考が紡ぐものである。「おもしろかった」というような読後の満足なども、たいていは文間に起因する。
つまり、それぐらい文間は重要であり……書けないなどと弱音を吐いている場合ではない。これといったスマートなアイデアがあるわけではなく、ひたすら書くことしか私にはできないが、書かなければそもそも文間は生まれないものである。言葉と言葉の合間にあるはずの「不可視の言葉」の表出に、私は挑戦したい。
2016年3月15日 川崎昌平
川崎昌平(かわさき・しょうへい)は1981年、埼玉県出身。東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。芸術と社会の接合を主なテーマとし、インスタレーション、写真、小説などを発表している。2015年より東京工業大学非常勤講師。自身の体験談をまとめたノンフィクション『ネットカフェ難民』(幻冬舎、2007年)によって流行語大賞受賞。その他の主な著書に『若者はなぜ正社員になれないのか』(筑摩書房、2008年)、『自殺しないための99の方法』(一迅社、2015年)など。2016年4月に『はじめての批評』(フィルムアート社)と『小幸福論』(オークラ出版)を刊行予定。
キュレーター及び作家で参加した『ART STRUCTION』(アーツ千代田3331/2011年)以来5年振りの展示、個展としては7年振りとなる本展では、文字を大切にしてきた川崎がその「間」に焦点を合わせた表現に注目が高まります。
会期3:松井克文個展『尊景—世界のデュナミス』
5月14日(土)18:00-20:00
■会 期
2016年 5月14日(土)〜5月25日(水)※5/16, 5/20休廊
■会 場
東京都台東区鳥越2-10-9 | tel 070-5460-0040
5月21日(土)『尊景 + CC NIGHT』 ※16:00開場
トーク1 16:30-17:15 松井克文×中西宣人(楽器デザイナ/サウンドデザイナ)
ライブ1 17:15-17:30 Yoshihito Nakanishi
トーク2 17:30-18:15 松井克文×田中一孝(桜美林大学講師)
ライブ2 18:15-18:30 Katsufumi Matsui + Ogusu Tatsuya
ライブ3 19:00-21:00 Fujimoto Tetsuro, RGL (ビートメーカー)+ Yuta Takeuchi, Kazumasa Kaneko (VJ)
© Katsufumi Matsui, 2015
The 360° Skyline Song Project© Katsufumi Matsui, 2015 Mac book Pro, Projector, Mbed, Web camera, Motor, others. | Boundary Synthesizer© Katsufumi Matsui, 2015 Mac book mini, Projector, Controller, Arduino, Web camera, Speaker, others. |
---|
我々が世界を捉える力を持っているわけではない.
世界が我々に受け取られる力を持っているのだ.
この力が現れるままに現れるようにする.
それが私の意図するところである.
松井克文(まつい・かつふみ)は1985年、山形県生まれ。京都大学文学部西洋哲学史専修卒業(2008年)、東京大学大学院学際情報学府文化・人間情報学コース修了(2015年)、同博士課程在学中。
実風景を音波に変換するサウンドインスタレーション、シンセサイザー等、景観・環境をリアルタイムで映像・可聴化する作品を、国内外の研究機関及び美術館で展示しています。《The 360° Skyline Song Project》はISEA2015の作品部門に選出され、バンクーバー博物館にて展示。展示室前の景観をリアルタイムで撮影し、そのスカイラインからその場で音を生成するというインタラクティブな展示で好評を博しました。
2016年5月16日〜20日、入選作家としてISEA2016(香港)に参加します。
* ISEA: 「International Symposium of Electronic Arts」の略称。本年で設立26年目、本部はイギリス・ブライトン。
会期4:森山泰地個展『尊景地水』
5月20日(金)19:00-21:00
■会 期
2016年 5月19日(木)〜5月31日(火)
■会 場
BLOCK HOUSE B1 GALLERY googlemap
東京都渋谷区神宮前6-12-9 | tel 03-6318-2003
※5/22(日)19:00-20:00「座談会」森山泰地×松下徹×菊地良太
地水 (concept image)© Taichi Moriyama | 地水 (concept image)© Taichi Moriyama |
---|
私はハシゴを使って地中をずっと下りていく。何かを登る人もいるけどなぜか私はハシゴで地中を下りている。もう10年くらい経っただろうか。やっと底の岩盤にたどりついた。底を歩いてみると、どうやらこの下にもさらに空間があるらしい。穴から覗いて見てみると、地底の底の底には水があった。その水は静かにそこに留まっている。たまーに岩盤の裏から水滴が落ちて水面に波紋を作る。そしてまた治まり静止した水面になる。不思議なことに水滴が落ちたときだけにしか水を認識できない。あまりにも静かすぎる水だからだろうか。私はとても柄の長い柄杓で水を掬ってみた。柄杓が水に浸かった瞬間、止まっていた水が大きく動いた。とても長い時間止まっていたものが今動いた。ハッとする。慎重に柄杓の柄を手繰る。水面には大きな波紋ができている。水はとても綺麗で、ガラスに入ったヒビのような色をしている。飲んでみると、地上にいたときに山で川の水を飲んだときの川の景色が頭に浮かんだ。とても鮮明に。10年ぶりに飲んだ水。遠ーくの方で水の流れる音がしている。
ここはいくつもの水脈が集まり滞留している、水脈と水脈の間のような場所なのかも。いつかはこの水が間欠泉のように地上に吹きだすだろう。
森山泰地(もりやま・たいち)は1988年、東京生まれ。東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒業、東京藝術大学美術研究科彫刻専攻修士課程修了(2016年)。
「景色を見たり、場所に立ったときにその場所にある色々な要素を観察し、その場所がどうしてこうなったのか、これからどうなるのかを想像する」という自身の制作過程を最大限に活かしながら、今回の尊景展では「地下」という会場の場所性を最大限に活かしたインスタレーションに期待が集まります。
>> back to top
>> English PDF