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伊佐治 雄悟 個展
『純粋在宅ストリートアート』

■会          期               

2024年8月24日(土)~ 2024年9月14日(土)

水曜日〜土曜日 13:00〜18:00

(日・月・火・祝 休廊

▼オープニングレセプション

2024年8月24日(土)17:00〜18:00

■会  場   

KANA KAWANISHI GALLERY

 〒135-0021  東京都江東区白河4-7-6

※ギャラリー前に車をお停めいただけます

■主  催

カナカワニシアートオフィス合同会社

KANA KAWANISHI GALLERYは、2024年8月24日(土)より伊佐治雄悟個展『純粋在宅ストリートアート』を開催いたします。

伊佐治雄悟(1985年岐阜生)は、日用品をベースに、 視点をずらし手を加えることで鮮やかに既視感から逸脱した作品の数々を制作するアーティストです。伊佐治はこれまでフィリピン、台湾、マレーシアなどアジア諸国や、ポーラ美術振興財団在外研修員としてスウェーデンに派遣されるなど海外での発表を数多く行ってきました。本展はスウェーデンでの在外研修を終えてから初となる国内コマーシャルギャラリーでの個展となります。

ミュンスター彫刻プロジェクトを訪れた際に「街中を彷徨っているうちに、すべてのものが彫刻に見えてきた」と語る伊佐治は、この現象を「彫刻酔い」と呼び、制作の起点になっていると言います。そのような視点を日常に持ち込むことで、カッターの刃や、プラスチックボトル、ボールペーンなど、あらゆる身の回りの既製品の素材やその構造を利用して、既知の存在から軽やかに逸脱させた彫刻をつくりだしてきました。

身体性を伴った公共への介入をストリートアートと定義するならば、ミュンスターでの体験を起点に日常を揺るがす作品を自宅のスタジオで生み出しつづける伊佐治の作品は、まさに「純粋在宅ストリートアート」であると言えるでしょう。満を持し、帰国後初の国内コマーシャルギャラリーでの個展となる本展を、是非お見逃しなくご高覧ください。

アーティストステートメント

10年ほど前の話。阿佐ヶ谷駅ホームの片隅では生米を一合ほど置く迷惑行為が発生しており、当時近隣に住んでいた友人とその話で盛り上がった。博識な友人は「稲穂は稲妻の象徴なので、雨乞いでは?」などと、それらしき解説をしてくれた。それから駅を利用する際は必ず、米が置いていないか確認するようにしていた。米がない時でも鳩がその周りを物欲しそうに彷徨っているし、何より「ここに米を置かないで下さい。悪質な場合、警察に通報します。阿佐ヶ谷駅長」という警告文がその迷惑行為の存在感を伝えていた。

そのことを思い出しながら、とても嫌な想像をしてしまった。米を置いた犯人が現代美術家だったらどうだろう。もしそうだとしたら、私と友人が期待していたような純粋さを全然感じない。犯人の属性が明らかになることで、それが社会的行為であることも分かってしまうのだろう。

結局、アーティストが神秘的な力を持つことはなさそうである。しかし、その作品が社会の外側に到達することには期待したい。

 

 

伊佐治 雄悟

アーティストプロフィール

伊佐治 雄悟(いさじ・ゆうご)

1985年岐阜生まれ。2008年多摩美術大学美術学部彫刻学科卒業。2019年公益財団法人ポーラ美術振興財団在外研修員としてスウェーデンにて研修。主な個展に『Second Hand World』(2020年、Art Center Ongoing、東京)、『rehabilitation』(2020年、Gallery Bageriet、スウェーデン・ヨーテボリ)、『裏日用品の世界』(2017年、Kofu Art Project、山梨)など。主なグループ展に『きのふいらしつてください』(2020年、彗星倶楽部、金沢)、『古美術と現代美術の掌』(2019年、FL田SH、東京)、『New works』(2017年、The Drawing Room Gallery、フィリピン・マカティ)など。受賞歴に「トーキョーワンダーウォール2010」入選(2010年)、「アーツ・チャレンジ2015」入選(2014年)

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