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長谷良樹個展『ENA』

 

 

▼オープニング・レセプション

2018年9月8日(土)18:00-20:00

*どなたさまもご自由にお立ち寄りください

■会 場  

KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY

〒106-0031 東京都港区西麻布2-7-5 ハウス西麻布 5F

TEL 03-5843-9128

 

■会 期               

2018年 9月 8日(土)~  2018年10月 13日(土)

火〜金 13:00-20:00|土 12:00-19:00

日・月・祝休廊

 

*10/6(土)のみ短縮営業(12:00-17:00)

同時開催

長谷良樹『恵那』展

会期:2018年9月9日(日)〜9月24日(月・祝)​

会場:コートヤードHIROOガロウ

                〒106-0031 東京都港区西麻布4-21-2-3F|TEL: 03-6427-1185

開廊: 12:00-19:00 *会期中無休

ENA_035

2010-2016 | archival pigment print
© Yoshiki Hase, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYは、2018年9月8日(土)より長谷良樹個展『ENA』を開催いたします。2014年オランダUnseenで紹介以降、4年振りに弊廊より発表される長谷の《ENA》は、岐阜県南部の恵那市にて、シノゴ大判フィルムカメラで、直感的な勘を頼りに、現地の風景のなかで住民らを撮影したシリーズ。2010年から2016年の7年間に渡り撮影が行われ、2018年5月に写真集『ENA』(ユカイハンズパブリッシング/2018年)として刊行されました。

 

長谷が初めて恵那市を訪れたのはある依頼撮影のロケ地としてでしたが、「天照大神の胎盤(=えな)が埋められた」という伝説の残る同地は、偶然にも長谷の父親の生誕地でもあり、「典型的な日本の山あいの田舎町」であったとその印象を語りながらも、その日常のなかに絵画的な美しさを見出していった長谷は、やがてその地で「大判フィルムカメラで作品撮影を行いたい」と感じる自分に気付いてゆきます。

 

山、湖、田んぼ、家屋、工場...。誰に依頼されるでもなく直感にのみ従い、大判カメラを様々な場所に持ち込んでは、近隣を日常的な生活の場とする人々をモデルに据え、立ち位置やポージングなどのディレクションも最小限に抑え撮影は進行されました。一見すると、大掛かりなクルー編成で大規模なセットアップ撮影を行うグレゴリー・クリュードソン作品を彷彿とさせる《ENA》ですが、例えば場と被写体とのインタラクティブな相互関係が最大限に引き出し制作されていることや、あるいは日常的にその場に住まう素人の一般市民が被写体に据えられていることなど、多くの点で異なる魅力を包含しています。

 

空想的な絵本のなかの世界のような審美性、撮影時に発生したという様々な想定外のアクシデント性、住まう人々のありのままを捉えたドキュメント性など、様々な側面を内包させた作品《ENA》。7年間の制作期間を経て、4年振りに弊廊より発表される長谷の新シリーズを、是非お見逃しなくご高覧いただけますと幸いです。

 

《ENA_009》

《ENA_009》

2010-2016 | archival pigment print | © Yoshiki Hase, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

《ENA_011》

《ENA_011》

2010-2016 | archival pigment print | © Yoshiki Hase, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

《ENA_027》

《ENA_027》

2010-2016 | archival pigment print | © Yoshiki Hase, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

《ENA_040》

《ENA_040》

2010-2016 | archival pigment print | © Yoshiki Hase, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

アーティスト・ステートメント

この写真の舞台は岐阜県南部の山あいの「恵那 えな」という街である。

 

岐阜県と長野県の間にそびえる恵那山は、

天照大神の胞衣(えな 胎盤)が埋められたという伝説が残る霊山で、

山頂は、普段は雲で覆われあまり姿を現さない。

2010年に映画の撮影隊としてこの地に出向くことになり、初めて山里の生活を体験したのだが、

偶然にもこの街は、私の父が産まれた街でもあった。

映画の撮影が終わり東京に引き上げたのち、再び恵那で写真を撮ろうと思い、

大判カメラとフィルムを持って一人で通うようになった。

それから七年になる。

 

恵那は、おそらく典型的な日本の山あいの田舎町である。

季節毎の山や田んぼの色がそのまま街の色となり、現代生活となつかしい風景が混じりあう。

不思議な縁で結ばれた人や土地を知るにつれて、日常の場面の一コマ一コマに、

まるで舞台上の芸術のように特別な「絵」を見るようになった。

人、家、林、田んぼ、車、鉄、雲、家具、神社といった

様々な物の色や形が、その外見と気配だけを残して、私を「恵那」から引き離した。

 

長谷良樹

アーティスト・プロフィール

長谷良樹(はせ・よしき)

 

神奈川県生まれ。1999年から2006年までニューヨークを拠点に活動しその後帰国、現在は東京在住。主な個展に『almost nature』(2017年、コートヤードHIROO ガロウ)、『181°』(2014年、PROJECT Gallery)、『THE HAPPINESS WITHIN』(2009年、ギャラリーヤマキファインアート)など。グループ展に『Photo Saint-Germain』(2016年、Galerie Zlotowski、パリ)『UNSEEN Photo Fair』(2014年、Westergasfabriek、アムステルダム)など。2016年、「東京国際写真コンペティション」に《First Composition》シリーズを出品し上位8名に選出され、後に同賞受賞者展として『Singapore International Photography Festival』(2016年、シンガポール)、『United Photo Industries』(2017年、ニューヨーク)、『T3 Photo Festival Tokyo』(2017年、東京)の3都市のフォトフェスティバルにて同作を発表。また、2007年《The Happiness Within》シリーズでフジフォトサロン新人賞奨励賞を受賞。

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